同志社好調の秘密を探る

いま同志社が強い。

12/2の全日本選手権京都府大会では決勝でリンドバロッサを6-0で下し3連覇を達成したかと思えば、所属する関西1部でもバディを6-0、ミキハウスを7-5と立て続けに退け地域チャンンピオンズリーグ出場へ王手をかけています。

幸せなことに同志社はここ数年ずっと上り調子で、下り坂になったことがない。チームが強くなり始めたきっかけはヒロ(窪堀・現シュライカー大阪コーチ)が監督を始めてから。2014年度に関西リーグ2部昇格、翌2015年度に大学日本一と関西リーグ1部昇格へ導いた後、2016年シーズン限りで彼はチームを去りました。

指導者がいなくなった同志社は下降線を辿るのではという見方もありました。しかし、窪堀チルドレンがほぼ卒業式しきった今もなお、停滞どころか強さをさらに増している印象を受けます。

関西1部で上位争いに絡むまでの戦いぶりを見せる今、現役世代が同志社史上過去最強と言われた前野、指田らの世代を超える力をもっていることに関して、もはや異論はないでしょう。

しかし、この幸せな時代もいつか必ず陰りが来ます。登り続けることはないのです。いつか同志社が下り坂に差し掛かった時の復活の手ががりとして、今なぜ同志社が結果を出せているのか、自分なりに分析しておこうと思います。


直近の試合映像を見てまず思うことはそのディフェンス力の高さ。これはデータにも現れていて、関西1部で10試合29失点は首位のSWHに次ぐ少なさです。では同志社はなぜ失点が少ないのか。GKのコウスケ(田中#24)の活躍が大きいのは明らかですが、それだけで関西1部で勝つことは難しい。自分が見る限り、次の4点に要因を見出すことができます。

それは、
①トランジションの早さ
②寄せの速さ
③個のボール奪取能力
④カバーリング
の4つ。

①はいうまでもなく切り替えのスピードです。今の同志社は敵陣内でボールを奪われたあとの戻りが早く、相手がカウンターを仕掛ける間に数的不利を解消してしまうシーンがよく見られます。

次に②の寄せの速さ。これはボールを持っている相手選手との距離にも関係あるのですが、要するに相手に余裕を持ったプレーをさせないことが結果的にボール奪取につながっています。つまり、素早く寄せることでパスミスを誘う。パスを出されても寄せ切れていることからパスコースを限定させることができるため、同志社は後ろの選手が思い切って前に出てインターセプトを仕掛けることができるのでしょう。

これはシュートに関しても同じことで、GKコウスケもFPがシュートコースを限定してくれるため、守りやすいのではないでしょうか。

③のボール奪取能力は、いわばファールをせずに相手からボールを奪う個人能力のこと。いくら素早いプレスをかけてもファールを取られてしまっては意味がない。素早く寄せながらも敵前でしっかり止まり、足でボールを奪取する。これが意外と難しいのですが、同志社トップチームにはこれができる選手が多いと感じます。

特に上手いのはタイゾウ(池岡#8)。線が細く体も大きくない選手ですが、相手とボールの間に体を入れてボールを奪い取る技術は職人技のようです。

最後に④のカバーリング。同志社はボールを奪うとき、2〜3人で相手を囲むシーンが目につきます。複数人で囲むということは、短時間であれ自分のマークを捨てて味方のマーカーへプレスをかけていることを意味します。

場合によっては自分のマーカーへパスを通された場合、ピンチになってしまうため、ボールホルダーの目線や自分のマーカーの位置、パスコースの有無などを確認しながらのチャレンジが求められます。

また、カバーリングができるということは味方同士が近い距離を保たなくてはならず、コンパクトなディフェンスができている証拠とも言えるでしょう。

今の同志社はシュウヘイ(牧角#81)のカバーリングが光ります。彼は攻撃で相手陣内深くまで攻め上がった直後でも、一度ボールを奪われればダッシュで自陣へ駆け戻り、味方と連動して相手を挟み込む。泥臭い役割をさぼることなく繰り返していることが失点減につながっているのでしょう。

また、裏にロングボールを放り込む同志社特有の攻め方にはカウンターを受けにくいという利点があります。それは浮き玉のロングボールは足元のボールに比べて処理しにくいためです。相手DFは同志社の選手と並走しながらロングボールに対応するとき、分が悪いと判断すれば、まずヘディングでタッチラインを割らせるため、再び同志社ボールで試合を再開することができます。

たとえロングボールがミスパスになっても浮き玉を足元に納めカウンターを開始するには時間を要するため、同志社の選手はその間に相手との距離を詰め、カウンターを阻止することができます。

現に同志社は相手がヘディングでクリアしたボールを拾い、再び攻めにつなげているシーンがよくあります。前に向かって走ることができる同志社と比べ、自陣へ戻りながら走らなければならない相手とでは、体勢の上で攻め手優位であると言えるでしょう。


次にオフェンス面。

これもトランジションの早さを活かせている点が昨季までとの違いでしょう。特に印象的だったのは関西1部ミキハウス戦のヨウヘイ(宮腰#)。彼は自陣ゴール前で相手選手のシュートをブロックし体勢を崩したにもかかわらず、すぐさま起き上がりカウンターに合わせて敵陣までの猛然とダッシュ。40mを橋走り切りゴールを決めました。

もちろんカウンターは一人だけでは決めることはできません。ボールを奪ったら即座に2〜3人が前に向かって走り出す。この癖がチーム内に浸透していることが最大の強みとなっています。

次にピボ当てという選択肢が加わったこと。今季、ピボのシンノスケ(津田#99 1回生)の加入により同志社の攻めのバリエーションが増えました。シューヘイ、ヨウヘイといった高速でドリブルを仕掛けることができる選手に加え、前線でタメを作れるシンノスケの存在は同志社の攻撃に厚みを加えています。

アラの仕掛け、ピボ当て、カウンターと複数の選択肢を持つチームは相手にとってやりにくいでしょう。

しかし、強い個が存在する同志社ですが、個に依存しているとは言えません。ベンチ入りメンバーがまんべんなく得点を挙げている点を考えると、やはり組織のチームであると思うのです。

12/24のリンドバロッサ戦に勝てば地域チャンピオンズリーグ出場が決まりますが、同志社はその前日に関西学生ーグの試合があります。こちらも優勝がかかっているため負けられない。翌日の大一番を前にどのように戦うのか。層の厚さが問われる中、本物の強さを見せてほしいと思います。

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